ミナロは基本的に約束手形での取引はしない。
と決めていても、先方の都合により約束手形取引になってしまう場合がある。
今回はそれが最悪の結末となりそうな状況だ。
アクシデントがあった大手との取引は木型屋時代から数えれば数十年にもなる。
ミナロ起業以来、その大手取引先との間に商社がかんでいる。
とはいっても、打合せ、見積、納品等は一切せず、口座だけの大手より指定された商社だ。
ミナロとしては直接取引の口座を開いて欲しいとさんざん言ってきたが叶えられず今に至る。
そして今年に入り、この商社の行方が判らなくなったのだ。
ミナロが仕事をしたのが昨年10月。
翌月に商社が振り出した約束手形が、3月20日の交換日。
まだ不渡りとなったわけではないが、回収は不可能だろう。
一縷の希望は、経営者に資産があり、それらを売って(ミナロが現工場を買ったときのように)現金化出来た場合のみ被害に遭わず済む。
そこで不渡りになる前に、出来る事を模索した。
そのひとつに、約束手形を大手に買い戻してもらう案があった。
大手から商社へ代金の支払いがまだであれば、約束手形との相殺で片付いたのだが、すでに商社への支払い済みということで却下された。
大手と商社の間では、検収後4ヶ月に現金振込だと聞いていたのだが、実はファクタリングで翌月には集金していたようだ。
大手としては二重払いになるため、約束手形の買い戻しは無理だと。
もう一つは下請法の適用について弁護士との相談だ。
親事業者は下請けに対し、代金の支払いを遅延、減額してはならない、という公正取引委員会のルールである。
詳しくはこちらを見て欲しい 下請法
こちらは進行形につき結論はまた報告するとして、もう一つ問題なのが次に始まる治具製作の打合せが間近に迫っていることだ。
約束手形が不渡りになるかもしれないのが3月20日。
だがすでに間に入る商社は無い。
そんな状況の中、大手としては別の新しい商社を通して発注したいと言っているのだが、それはいくら何でも飲めない。
「この商社は大丈夫です」と言われて、二度も信用するほどお人好しではない。
ミナロとしては直接取引、検収後60日以内の支払を取引再開の条件とさせていただきます。
と伝えたが、事務処理が面倒な事なのだろう、良い返事はもらえない。
事務方との攻防が、現場に影響を及ぼす事はとても嫌なことだ。
最後に納めた治具の、新機能の設計、ひと月以上の製作日数、納期前の数日は会社に泊まり込みで対応した努力は、事務方にはまったく伝わらない。
製作者はガッカリだと言っている。 当然だ。
治具の価値を判ってくれる現場の方々からは、力を貸してくれると言ってもらえるが、決定権は事務方である以上、事務方が理解を示してくれない限り変わらない。
下請けは事務方に都合良く使い分け、場合によってはただ働きで済まされてしまうのだろうか。
ミナロは現場と現場の繋がりでお互いが気持ちの良い仕事をしたいだけだ。
それを邪魔する政治的障害はことごとく排除する。
それがミナロの事務方のやるべき仕事だと強く確信する。
複雑に入り組む世の中でも、当たり前の事を当たり前にやりたいだけだ。
「約束しない手形」って名前変えたら?