破産した会社の債権者(不渡り手形)として霞ヶ関の東京地裁へ行ってきた。
そこには破産した商社の元社長も出頭していたのだが・・・
今回の破産に関わる処理はすべて破産管財人の弁護士にまかされている。
しかし破産した商社からの情報提供が少なく、正確な財産や買掛、売掛の伝票類がすでに行方不明で処理に非常に時間が掛かっていると伝えられた。
現在判っている負債総額約5億円に対し、資産の評価額は約150万円にしかならない。
その他、未回収の売掛金は供託金として裁判所が預かっている、その額約5600万円。
この150万円と5600万円をたした金額が、通常であれば債権者達に振り分けられる事となるのだろうが・・・
この商社が従業員を一斉解雇したのが12月28日。
その2、3日前には、従業員と再建の約束をしたばかりだったというのに。
そしてこの破産が、計画的ではないのか?という疑惑が浮かんでくる。
世間はまだ年始休暇の年明け1月4日に、新しく開設した銀行口座へ保険積立金や有価証券の資産、約1200万円が振り込まれ、即日引き出しされていた。
破産管財人がお金の行方を聞くと、元社長曰く、「姉への借金返済へ充てた」と。
商社が持っているはずである受取手形、約360万円の行方も不明となっている。
また、供託金や未回収の売掛、営業保証金等のほとんどが、あるノンバンクへの優先的破産債権となっていると主張しているのだ。
つまりは、残り資産はすべてノンバンクへの支払に充てると。
だが、破産管財人はこのノンバンクの債権は認めず、違法ではないかの調査をしている。
集会場にはノンバンクの担当も来ていて、元社長と破産代理人に詰め寄る場面もあった。
先日電話をもらった商社の元従業員の話にあった、「ノンバンクに仕組まれた計画倒産ではないか」という疑惑はますます濃くなった。
説明会が終わり、破産管財人と破産代理人の連絡先を知るために名刺をもらった。
その時に元社長と少し話をしたのだが、風貌は不精ヒゲにノーネクタイの決して正装ではない格好。
「もう逃げ隠れしませんね?」の問いに対し、「ご迷惑お掛けして申し訳ございません、しかし別に逃げ隠れしていたわけではありません、こちらも何かと忙しいのです、生活のため仕事もしなければなりませんし」と。
どうやら、自分の置かれた立場や責任、今後の事などは考えられないタイプのようだ。
まさに「売家と唐様で書く三代目」なのだろう。
この元社長に聞きたいことは山ほどあるが、たぶん時間の無駄だ。
今後は破産管財人にすべてを任せ、事実が暴かれるのを待つしかない。
次回債権者集会は12月