いつになったら?

今週の安倍内閣メルマガに、
 「景気がよくなってきたといいますが、下請けには安い工事しか発注がきません。いつになったら末端まで景気がよくなるのでしょうか」(女性、40代、千葉県)
という質問がでている。


その質問に対し、経済産業副大臣 渡辺博道氏が回答している。

 私もタクシーの運転手さんや商店の皆さんとよくお話をするのですが、『景気がよくなっていると国は言うけれども、私たちの実感はない』という声をよく耳にします。そのとおりだと私も思います。この景気回復をいかに実感のできるものにしていくかが大変重要だと思っております。 

政府としても景気回復はごく一部の現象であって、ほとんどの人は実感していないと認識している。
ではどうやって好景気の実感を持ってもらうのか?

 我が国の99.7%は中小企業です。企業の数としては430万社。そこに雇用されている人たちは全体の7割を占めています。まさに中小企業の活性化こそが日本経済の発展のかぎになるわけです。
 そのため、国としては、地域中小企業の活性化を図る「地域の応援」、中小企業の発展、事業再生を支援する「企業の応援」、起業・再起業を促進する「ヒトの応援」の三つの応援を同時に推進することにより、中小企業の活
性化に全力で取り組んでまいります。
 日本経済は、中小企業で支えられています。皆様方一人一人の声を真摯に受け止め、景気回復を全ての方々が確実に実感できるものとするべく努力してまいります。

と言うわけだが、どうなんだ?
中小企業が利益を上げるには、大手企業か消費者が製品を買ってくれない限り儲からない。
大手は十分儲かっているはずだ、戦後最大の好景気を作っているのは大手なのだから。
一方、消費者の収入も雇用も一部を除いて悪いまま。
北海道、四国、沖縄の有効求人倍率は0.5以下だということだ。
少しくらい生活に余裕が出たところで、そのお金の行き先は貯蓄だろう。
ということは大手に期待するしかないのだが、「去年よりコストアップをしてもイイよ」と大手企業側から言われたところがあるのだろうか?
想像で言うのもナンだが、99%無いと思う。
その逆に、「去年の10%ダウンでお願いね」と言われる下請けはゴマンとあるだろう。
それを防止するために下請代金法と言うのがあるのだが、納品後の値引きを強要したり、支払いを送らせたりとかは規制できても、「コストダウンを要請してはイカン、逆に毎年アップしなさい」とは書いてないだろう。
結局下請けは相見積もりの餌食となって、骨と皮だけの薄利でやっていくしかない。
そのうち景気も落ち着き、たいした恩恵を受けることもなく、低空飛行のまま経営を続けるしかない。
そう考えたら人も設備も今より増やせない。
例え一時的に混み混みの状態になったとしても、いつ仕事が薄くなるかと考えたら、雇用はムリだ。
経済産業副大臣は中小企業の景気回復のために地域の特色を活かしたモノづくり(北海道の鮭の皮からコラーゲンを作る等)を推奨しているが、それに関われる企業がどれだけあるのか。
政府が今年発行した「元気なモノ作り中小企業300社」には優秀な会社が沢山載っている、ミナロのお客さん、知り合いも載っている。
だがたった300人の優秀な中小企業の社長が載っているだけだ。
全国には430万社の中小企業があるのに。
きっと、300人の社長達は殺しても死なないタイプだろう。
政府が取り上げなくてもなんら問題ない。
ならば、ほっといたら死んでしまう中小企業を取り上げて、無料で全国に宣伝をしてあげた方がイイのではないかと思ってくる。
政府だって税金を使いネット広告をしているようなモノなのだから、全国の7割をしめる中小企業従事者の所得が増え、税収も増えると思えば出来ないことではないだろう。
「プロフェッショナル広報戦略」の著者 内閣総理大臣補佐官(広報担当)の世耕弘成氏が内閣メルマガの編集長なんだから。
でもまぁしばらくは政治に期待せずやっていくしかないけど・・・
中小零細にも広報が必要だってば

政府インターネットテレビ
経済産業副大臣 渡辺博道氏の回答