いつでもどこでも払っている消費税。
最近は内税表示となって、税額を意識することは少なくなっているのだが。
消費税は国内の(一般的な)買い物すべてに掛かってくる。
製造業が買う材料にも当然掛かっている。
我々が作った製品は最終ユーザーも消費税を払って買い取ってくれる。
しかし、消費税は日本国内の販売にのみ有効な税制。
海外で売る場合には消費税がもらえない。
そこで、すでに国内で材料を買うときに払ってしまった消費税を返してもらう制度が輸出戻し税だ。
国内で買って海外で売れば消費税は掛からないし、払ってしまった分は戻ってくる。という事である。
その輸出戻し税がものすごい金額なのだ。
経団連会長、御手洗氏のキャノンを例にとってみると、
2005年度のデータは
総売上高 2兆4814億円
輸出売上高 1兆9156億円
輸出戻し税 837億円
国内に納税すべき消費税 64億円
差引還付税額 773億円
つまり、年間773億円もの税金が返ってくる。
すでに世界企業となったトヨタにいたってはもっとすごい。
総売上高 10兆1918億円
輸出売上高 6兆5125億円
輸出戻し税 2665億円
国内に納税すべき消費税 374億円
差引還付税額 2291億円
年間2291億円も戻ってくる。
さすが前経団連会長だ。
輸出上位10社の合計年間還付税額は8727億円にもなるのだ。
現状5%の消費税が将来上がったとして、倍の10%になったとしたら輸出戻し税額も倍になる。
経団連が法人税は減税し消費税は増税を推奨するのもよくわかる。
すでに内需に見切りをつけ、市場を海外へシフトしている大企業にとって輸出戻し税は最高の助成制度だろう。
(例え、客先が海外へ売るためのものづくりを手伝ってるいからといって、国内でやりとりしているだけではこの制度の対象にはならない。
あくまでも、海外ではもらえない消費税に対する、すでに国内で払ってしまった消費税の還付である。)
して、我々国内中小零細企業はどうすればいいのだろうか?
このまま経団連に都合の良い制度を受け入れていれば内需も潤うのだろうか?
法人税が安くなることは良いが、普段の生活にまで多大な負担を及ぼす消費税が増すことはとても安心してはいられないと思う。
もしもひとつ出来ることがあるとしたら、我々も海外にモノを売れないかと考える事だろう。
しかし企業のほとんどがそれをやったら、法人に掛かる消費税収入が無くなるから、輸出戻し税廃止になるかも知れない。
海外国籍の商社経由で取引したりとかでも可能なのかな?
輸出戻し税は早い者勝ちかも・・・
は、早く英語サイトつくらなくっちゃ
参考
消費税と輸出戻し税
消費税
きっこのブログ