ホワイトカラーエグゼンプション

ひっよとすると隣国の危機より、身近な危機かも知れない「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」。


経団連が推奨している、残業代のあり方を見直す制度だ。
経済成長時代に作られた労働基準法は、主に工業の発展にあわせて作られている。
いわゆるブルーカラーと呼ばれる人たちにあわせた制度だ。
しかし、国内の産業は工業が主たるモノでは無くなっている。
大量生産大量消費の時代はとうに終わり、モノを作る事よりモノを流通させることに関わる人が増えている。
第三次産業に従事するホワイトカラー用の制度が必要と言うことだ。
本来残業代は定時間を過ぎてもやらなければならない仕事に対して払われる。
だが現状では、残業代ほしさに居残る労働者が居ることも事実。
バブルの頃は、給料が少ないのなら残業しなさいと言っていた時代もある。
例え定時間中にのんびりしていながら、定時後にも引き続き仕事をすれば残業代が払われる。
能力の高い人が定時間に終わる仕事でも、能力の低い人が定時間では終わらず残業すれば、給与は能力の低い人のほうが高くなる。
この理不尽さを解消するための制度が「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」だ。
しかしながら反対派も多く、問題も残る。
単にサービス残業を公認するための制度だという見方もある。
そもそも残業代となにか?
もっと言えば給与とはなにか?
会社で稼いだ利益の分配だろう。
会社は労働者の時間を買っているのではない。
個人では出来ない設備、施設、備品を揃え、仕入れたものに付加価値を付けて売る。
売上から経費を引き、残った利益を分配するのが会社の役割だ。
あくまでも、労働者達と市場を繋げる為のモノなのだ。
利益がなければ残業代どころか、給与もない。
もちろん賞与もだ。
なにか世の中勘違いしている。
じっと時間が過ぎるのを待てば決まった給与がもらえると思っている人が多すぎる。
公務員の不祥事や破綻はその最たる例だろう。
我々製造業はブルーカラーと呼ばれるため関係ないはずだが、労働基準法が改正されればまったく影響がないわけではない。
この「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」の法案を上げるのも、現場からは遠くにいる人たちだ。
国の政策をアテにして、その通りやって生き残れる会社は皆無だ。
なにを今更と言いたくなる。
参考:[ゴーログ] ベンチャーエグゼンプションを議論してほしい
ここの社長はなにを思う