雇用と消費と家族的経営

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昨日の同友会例会で思ったこと。
報告者は(株)フェアスタートの永岡 鉄平氏。
児童養護施設の子供達に対し、就労支援をされている。


【報告】
下は2歳から上は19歳までの訳あって親と暮らせない子友達。
その親の居ない子供達が施設を出た後、独り立ちするための支援をしているのだ。
施設に居るあいだは生活は守られているが、高校卒業と同時に世間に放り出される。
わずか18,19の子供達が親からの援助無しで生きていけるだろうか?
そんな子供達に出会った彼は、それまで勤めていた一流企業を辞め、児童養護施設の子供達の就労支援に乗り出したのだ。
子供達が施設に居るあいだに、会社見学を実施して、少しでも世間に慣れさせる。
雇用してくれる会社を探す。
それが彼の仕事だ。
だが、経営者なら直感的に感じると思うが、ビジネスモデルとして成り立っているのか?
想像通り報酬ゼロ。。。
だが、彼は言う。
「あの子らに出会って、なにかやらねばという衝動にかられた」と。
【意識と現実】
児童養護施設の子供達の仕事に対する意識は、
「生きていくために仕事をするのは当たり前」と思っているらしい。
決して世間に甘えているわけでも、ニートになるわけでもなく、自分で稼いで生きていくんだと言う意識がとても高いと。
だが現実は、ワーキングプアに陥る子供達が多いのも事実。
頼れる人が居ない子供達にとっては、恐くて寂しくて仕方ないだろう。
【ファミリー】
神奈川県では、児童養護施設から毎年50から100人程が巣立っていく。
もし、この子達に企業の経営者が、「これから私を親と思いなさい」と言えれば、どんなに素敵なことか。
血は繋がっていなくとも、毎年50人以上の息子、娘ができるのだ。
10年経ったらどれだけのファミリーになるのだろう。
この家族的経営こそが今の日本に無くってしまった、会社の良さではないだろうか。
【雇用と消費】
雇用をするのは確かに大変だ。
しかし、生産者と消費者はイコール。
つまり、企業が雇用して給料を払い消費者を作らない限り、付加価値を作る生産者も増えない。
企業が存続するには、若い人を雇い続けるのもひとつだが、消費者を作るという意識も重要な課題だとおもう。
彼の報告を聞いて、あたらめてそう思った。
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