すでに先週の話題だが、みかん太郎さんと友重さんのブログで「青色LED訴訟和解について」を書いておられるので、ここでも少し書いてみる。
200億円から6億円(遅延金を含め約8億4400万円)になった事について、それぞれの立場で捉え方が変わってくるのは仕方がない。
相次ぐ特許訴訟は、今後も続くのだろうか。
いっそのこと、開発もトムクルーズのように歩合制に出来ないものか。
映画界の事はさておき、不景気が長引くと、固定費を抑えるために、年俸プラス出来高払いや、売り上げ次第の歩合制と言った制度で契約する事が必要になってくる。
古い体質の組織の場合、年功序列、終身雇用の考えが染みついているだけに、平時はうまく行く仕組みでも非常時には労働者側と経営者側は真っ向から対立する。
この場合の非常時とは、プラスでは予想外の利益や発明、マイナスではリストラの事だ。
これから生まれてくる会社には、常に非常時というタイプの会社が増えるのではないだろうか。
資金がないため、一発当たるまでは低空を飛ぶしかないが、希望とアイデアにあふれていたり。
そういった場合新しい契約のしかたが必要になるだろう。
ただそこで、人にとって必要なのは金なのか証(あかし)なのか。
40年間仕事をして平均年収500万円だとすると生涯賃金は2億円、いってみれば2億円あれば人並みの生活は出来る。
今回の特許権譲渡の対価は8億以上、4人分の生涯賃金だ。
と同時に、発明者は全世界から注目され、今後地球に人がいる限り、青色LEDの発明者として名を残す事になる。
つまりは、この時代に生きた証が残るのだ。
みどりかわだったらお腹一杯、言う事無しだ。
映画A.I.でこんなシーンがある。
セクサロイドのジゴロ・ジョーが人間の策略にはまり警察ヘリに捕まる時(=破壊されるという事だ)、「俺は存在した」と言うセリフがある。物語ではロボットが言うセリフなのだが「この時俺は生きていたんだ」という証を訴える心打たれる一言だった。
中村教授も不満あるようだが最後に良い事を言っている。
「和解内容には納得していないが、代理人の意見を受け入れた。発明対価問題については、後続の技術者一人ひとりにバトンを渡し、私は本来の研究開発の世界に戻ります」
「・・・・私は本来の研究開発の世界に戻ります」実に格好良い、生きているうちに一度は使ってみたいセリフだ。
「・・・私は昼飯喰ったら戻ります」