昨日は魁☆小出塾で野毛電気工業(株)を見学させて頂いた。
まずは会社のカタログを頂いて、事業内容の説明を受ける。
昭和25年に現会長が創業し、今年で55年目となる。
近頃は野毛大道芸で有名となった横浜市中区野毛山が当時最初に開いた工場だ、社名はその野毛から付けられている。
主な事業はエレクトロニクス関連。
従来ICやLSIへの銀メッキは全面に付けられていた、それを範囲を絞ることによりムダな銀の消費を少なくすることが出来たという。
また、独自の技術で、エンドレスマスキングテープを開発、知事賞を受けた。
その他、IC、LSI用の純金ボンディングワイヤー製造。
あらゆる金属材料へ金、銀、白金のメッキを行っている。
メッキには大量の水が必要となるため、水のリサイクルにも力を注いでいる、毎月100トンも使う水の90%をリサイクルしている。
その中から金が5kg程回収できるそうだ。
次に会長から話をしてもらう。
今年で83歳なる会長は、非常に健康的で肌にも声にもハリがある。
創業当初の出来事を思い出しながら話してくれた。
戦後何もない状況から工場を立ち上げ軌道に乗せるまで、人との出会いがどれだけ大事だったかを語ってくれた。
会長自身も会社見学が好きなそうだ。
毎日の心がけとして、「一日一得」を座右の銘としている。
どんな所へ行ったとしても、何かひとつは得になることがあるだろう、それを毎日繰り返しなさい。
という意味だそうだ。
その後工場の中を見せて頂いた後、質疑応答の時間で教えてもらったのだが、
今回の会場となったホールに会長(その当時は社長)の胸像があった。
「実はその胸像は、新社屋を建てた時に社員全員から社長へプレゼントしたものなんですよ。300万円以上もしました。」
と聞かされた。ドラマのような美談であるが、さらに続きがあった。
「そのお返しに社長は、社員の名前を彫った記念碑を建てられたんです。今まで苦労掛けてきた社員達に、お礼をしたかったそうです。」
本当にこんなすばらしい会社があったのか!と思わされる話だった。
社員達の忠義、会長からの報奨。
理想とする会社組織がここにあった。
経営の方では、20年前までは取引先は一社だけだったという。
しかし、そのリスクを早くに感じ取っていた会長は、取引先数を増やさなくてはいずれまマズイことになると、営業に力を注いだ。
そして今では200社以上の取引先数を誇る。
営業と言っても、主たるモノは口コミだ。
「あそこなら何とかしてくれる」そう言わしめるために、よそでは出来ない技術を培ってきた。
この考え方は非常に納得できた。
比べるのも失礼ではあるが、ミナロも創業以来同じような考えで進んできた。
なんとなくミナロの将来像が会長の話のなかに見えた気がした。
今回は時間が少なかったため、もっと話を聞きたいという塾生が多く居る。
またの機会に会長との接点をもてたらと思う。
野毛電気工業のホームページはこちら