人が集まる職場

大学での講義がやっと終わったと思いきや、新たな悩みが現れた。


悩みといっても、うれしい悩みだ。
ミナロへ就職したいと言ってくれる人が二人も現れたのだ。
どうしてミナロへ来てくれたかはそれぞれ違う理由だろうが、頼りにされるという事はありがたい。
しかし理想論ならそれでも良いが、現実を見た場合ではどうなのか。
今月決算を迎える今期の収支は、昨年と同程度に黒字。
三人の社員にはボーナスも払える。
だが、もし仕事量がそのままで、社員五人となれば相当やばい状態だろう。
そこで、新たな二人には増やした仕事をこなしてもらわなければならない、もっと言うならば会社の設備を使って自分で稼いでくれないとイカン、と言う事だ。
だが、「いきなり自分で稼げ」と言って出来る人は居ない、居たとしたらとっくに独立している。
するとやはり、ミナロ全体の仕事量を多くすることしかない。
多くするのは誰か?
それは社長だ。
では、社長が営業出来るのか?
出来なくはないが、まだ現場に出なければならないときも多い。
仕事は現場に任せられないのか?
すぐに手を離すわけにはいかないが、徐々にそうするしかない。
そのために人を雇うのだし。
現場に未練はないか?
ある。大いにある。
現場にいないと良いアイデアも思いつかない。
清掃・整理・整頓も任しておけない。
それでも現場から離れられるか?
好きで社長になったわけではないが、なってしまった以上全体の事を考えなくてはならない。
ただし現場の理解と協力がなければ実行出来ない。
よって、現場の意見を聞いて話し合って決めようと思う。
この件は秋までに答えを出せばいい。
就職希望の二人とミナロの人生が掛かっている重大な判断だ、今後起こるであろう色々な場面を想定して、じっくり考えたいと思う。
人が集まる良い職場になりたい