製造業の逆ザヤ

ゼロ金利解除後の金利上昇にどう立ち向かうか。


銀行から売り込みがあった。
「是非当行とお付き合いを頂きたい」と。
早い話、お金を借りてくれと言うことだ。
では提案を伺いましょう、ということで、こちらの希望を伝えた。
もちろんプロパーで、保証協会無し。
500万円3年か、1000万円5年での条件をだしてもらった。
出てきた金利は、一般の初取引では最低だろう。
これから間違いなく金利は上がるというのが、おおかたの見解。
0.025% という数字が、金利変動の最低単位。
現在が 2.0% だったらひとつ上は 2.025% 。
金利は毎月見直され、その幅は 0.025% が最低単位で 倍の0.05% だったり 4倍の0.1% だったりする。
1年前から、ゆうに0.5% はあがっている。
土地代も、坪単価で20% 以上も上昇した。
製造業の飯のタネ、材料代も暴騰だ。
しかし仕事の単価は、一向に上がらない。
逆に下がる事も多い。
銀行の金利は、様々な要因で決まる。
公定歩合、銀行の経営状態、他行との関係、企業との信用度、等々。
バブル崩壊後に痛い目をみた経験から、赤字になる融資は絶対にしない。
貸し倒れ比率を厳しく考慮した金利設定は、例外を認めない。
初取引で状態が良い企業で、銀行の方からお声がけがあってもだ。
金を借りれば借りるほど、仕事が大きくなればなるほど、今まで以上に利益は流れてゆく。
この製造業における逆ザヤ状態は、しばらくのあいだ続きそうだ。
資金をすべて銀行に頼る事はヤメ、間接金融と直接金融をバランス良く使うことが重要ではないだろうか。
そのためには、製造業であっても、正確な帳簿と情報公開で、外部の支援者を多く集めることが大切になってくる。
手も頭も口も使う製造業にならないと、利益は残らないだろう。
モノづくりはカネづくりの道具じゃない