社員と社長

社員が希望する社長とはどういう存在なのだろうか。


みどりかわは5年前まで社員として勤めていた。
「給料をもらっている以上忠誠を尽くす」という考えで、数ある引き抜きにも応じず15年間勤めてきた。
しかし最後に経営者から、全員いらないと言われてしまったのだが・・・
その頃社員として社長に期待していたのは、先見の明だった。
RP(ラピッドプロト)という機械が7000万円で発売された。
(粉末ナイロンをレーザー焼結で積層する装置)
モノづくり、特に試作の分野では画期的な造形方法でモノがつくれる。
どうしても欲しかった、「俺が保証人になっても良いんで導入してください!」
「月200万円の支払いも夢ではないです」という試算は、当時の景気の中では信じられなかったのだろう、その話は無くなってしまった。
当時(約8年前)RPを導入したところが今では、高価な設備にもかかわらず増設増設で何台も持っている。
あのときRPを導入していたら、ひょっとしてミナロは無かったかも、と考えるとそれはそれで面白い。
それぞれ社員の立場によって考え方は様々だろうが、会社の保証人になってもイイという社員には今まで出逢ったことがない。
社長と心中するようなものだ、ムリもない。
ただ当然勝算があっての判断だ、ハナから無駄死を覚悟するわけではない。
そんな名もない木型屋ではあったが、その歴史にみどりかわが残ればそれでイイとも思っていた。
人の良いところを引き出すのが社長(上司)の役目とかいう社員がいるが、それはものすごく独りよがりな甘えでは無いだろうか。
木型屋時代の後輩に「僕のやる気を引き出してください」というヤツがいた。
確かに型の仕上がりを競い合ってやると良い物をつくる。
しかし数ある仕事を常に同じ状況にできるはずもなく、もろもろの不満を当時の社長のせいにして辞めていった。
今は社員と社長を経験し、それぞれの立場の考えも理解できる。
しかし考え方にも行動にもそんなに違いは無い。
自分が活躍できる状況は人から用意されるのではない。
自分で考え行動し、結果を出して行くことで、活躍の場が作られていくのだ。
人のせいにする前に、自分が何を残せたかを考えなさい。
ま、社長はやり玉に上がってナンボか w