東芝日野工場見学

P4
東芝日野工場では主に携帯電話を作っている。


最新技術の集合体である携帯電話を作るラインだ、当然ライン自体も最新設備かと思いきや、携帯電話を作るラインは思ったより人の手でまかなっている。
基板へのハンダ付けは人の目では出来ないため機械で実装しているが、基板とケース組立や検査、梱包はすべて人の手で行われている。
現在国内の携帯電話のサイクルは2~3ヶ月でモデルチェンジがある。
そのたびに専用ラインを作る事よりは人海戦術で作り上げた方がトータルでは良いのだろう。
2~3ヶ月でモデルチェンジと言うのも異常である。
世界的に売れている海外メーカーの携帯電話は2年もモデルチェンジしないそうだ。
携帯電話一台あたりの工場出荷価格は意外と高く、チョットしたパソコン並だという。
それが各キャリアの窓口では新機種でさえ3万円程。
何世代も前の型落ちは0円だ。
各キャリアは携帯本体を売ると赤字になるが、その後の課金で回収するわけだ。
このやり方では当分通話料は下がらないだろう。
東芝日野工場では現在、auとSoftBankに携帯電話を提供している。
一時期はドコモ向けもあったようだが、もろもろの事情により現在は提供していない。
他社と比べると大きい東芝製の携帯電話。
機能的にはかなりの充実度だ、現在は特に音楽携帯としてのシェアは東芝が一番らしい。
みどりかわも使っているのだが、この大きさはやはり邪魔になることが多い。
特に薄着になる夏はどこのポケットに入れるか困ることも。
SoftBankの孫社長からは軽薄短小にと注文が来ているようで、機能はそのままで軽く薄く小さくしなさいと言うことだ。
国内の携帯電話は1億台を越えたという。
すでに飽和状態といっても良いだろう。
しかし全世界で見ると国内の携帯電話メーカーのシェアは、まとめても「その他」にしかならないほど小さいという。
日本独特の頻繁なモデルチェンジ、高機能化、高コスト体勢が世界では通用しないようだ。


工場のラインで働くかなりの人達が人材派遣からやってきた人々。
時給1000円前後であろう。
ひとりあたりの給料としてはとても安い、年収にしたら300万円以下だろう。
今問題となっているワーキングプアにあてはまるかもしない。
しかしそこで作られてくる携帯電話は人件費が安いはずなのに世界的にはとても高価である。
そしてメーカーとユーザーの間には赤字覚悟のキャリア会社という奇妙なバッファが効いている。
作る人、売る人、使う人、はたしてどこが儲かってどこが泣いているのだろう。
良いか悪いか別として、それぞれに関わる人がコストダウンや流通の仕組みに知恵を絞った結果がこうなっている。
マスコミも政府も結果だけを見てワーキングプアだ格差社会だ問題定義してるが、国際的にみて製造と流通の歪みを理解しなければ解決できる問題ではないだろう。
すでに飽和状態となった国内携帯電話事情がこれからどういう動きを見せるのか注目していきたい。
この携帯、海外で使えて事務所で圏外 泣
blogランキング