製造業ではカリスマ的存在となった、岡野工業(株) 代表社員岡野さんの講演を聴いてきた。
(財)神奈川県経営者福祉振興財団の主催だ。
岡野さんのプロフィールはすでにご存じだとは思うが、知らない人に少しだけ紹介すると、携帯電話の小型化に貢献した電池ケースの製作や痛くない注射針の製作に成功した社員数6名で、6億円の年商を上げている今年74歳の町工場社長だ。
TVや本で何度も拝見してはいたが、ナマ岡野さんをはじめて見た。
ライブトークは落語のように面白く、とても町工場の社長とは思えない。
技術がすごいはの誰もが認める、さらにはその伝え方がとても上手い。
岡野さんの幼少期に身に付けた世間との接し方がそうさせているのだろう。
ここだけの話をいくつも聞くことが出来た。
その中で、ムコさんと孫の自慢が多かったのには意外だった。
岡野さんは「うちの自慢は、俺は自己流だが、ムコは基本を知っている。 旋盤、フライス、研磨など、どれをやらせても俺より上手く使う、見ていてとても勉強になったんだ」と言われていた。
痛くない注射器もムコさんの手によって作られ、1億本を出荷した今でも不良ゼロだ。
孫にも小2から安来節を習わせ、NHKの大会で優勝して以来、宴会の席では20~30万円を稼ぐ様になった。
東京海洋大学を卒業した今年、航海士にはならず、なんとサルベージ会社に就職を決めるほど自分をしっかり持っているとも。
近々、岡野ファミリーは世代交代をするだろうが、岡野工業は安泰のようだ。
一般的には岡野工業の様な仕事のやり方は出来ないだろうが、人が出来ないモノだからやるんだ という精神は我々中小零細製造業でも見習っていきたいと思う。
年商6億円・・・夢だわ